独白 愉快な“病人”たち

宣告され頭が真っ白に…戸叶尚さん「精巣がん」を振り返る

戸叶尚さん(C)日刊ゲンダイ

 早寝早起きの生活も馴染めなかったし、下半身麻酔だったので手術の様子が分かるんですよ。電気メスの焦げるにおいがして……。1時間ぐらいの手術だったんですけど、手術後はしんどいし、腰は痛いし、動けない。次の日にようやく起き上がれるようになり、歩けるようになったのは3日目ぐらいだったかな。

 何より、摘出した精巣の病理検査をしてがんの種類や進行具合、転移の結果が分かるまでの1週間が怖くて仕方がありませんでした。睡眠剤を処方してもらっても、「眠ったら、そのまま起きられなくなるんじゃないか」って悪い方向に考えて眠れず、明け方になるまで、持ち込んだPCで好きな車の動画を見て気を紛らわせていました。

 幸い結果はステージⅠで、放射線治療の効果が出やすいセミノーマ(精上皮腫)という種類でした。転移はなく、放射線治療は受けませんでしたけどね。

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