人生100年時代を支える注目医療

ハーバード大も注目 「ビタミンDでがん再発予防」の可能性

一日一度は日光浴(C)日刊ゲンダイ

 同大分子疫学教授で研究代表者の浦島充佳部長(顔写真)が言う。

「研究に参加していただいた患者さんは417人で、D群251人とプラセボ群166人に振り分け、比較しました。結果は、術後に内服を開始してから5年が経った時点で、D群の患者さんのうち再発なくご存命だったのは77%。一方、プラセボ群では69%でした。その差は8ポイントもありますが、統計学的に差があるとは結論できませんでした。しかし、たまたまD群はプラセボ群に比べて年齢が高い傾向にあったので、それを補正するとDが有効と判定されました」

 研究では、患者のもともとの血中のD濃度のレベル(高、中、低)で分けた観察も行っている。高レベルは少数なので省いているが、中レベルでは5年経過で見ると無再発生存率はD群で85%、プラセボ群では71%。この14ポイントの差は統計学的にも有意で、確実にがんの再発を抑えていた。この結果は「普段から高めの人でDサプリの上乗せ効果がある」と解釈できる。

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