人体はポリフェノールを合成できません。そのため植物やその加工品から摂取するしかありません。しかし、野菜嫌い・果物嫌いでも健康な人は大勢います。それに必須ビタミンや必須ミネラルはあっても、「必須ポリフェノール」なんて聞いたことがありません。それでも健康でいられるのは、人間に「尿酸」が備わっているからかもしれないのです。
尿酸は言うまでもなく痛風の原因です。しかし、ビタミンCなどをもしのぐ、最強レベルの抗酸化作用があることが昔からよく知られていました。しかも意外なことに、人体は尿酸をわざと捨てずにため込んでいるのです。
尿酸は新陳代謝によって生じる老廃物で、尿に混ぜて捨てられるはずなのですが、なんと9割が腎臓で回収され、血液中に戻されているのです。わざわざ尿酸値が下がるのを防いでいるのですから、血液中の活性酸素を無害化するためと考えるのが自然でしょう。
ゲノム編集で作られたポリフェノール入り農作物が出回る?
- 2019年05月23日
スーパーフードに説得力はあるの? 効果確認はごくわずか
- 2019年05月28日
永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。