「ADの人はレム睡眠の時に多くあらわれるγ波(ガンマ波=31ヘルツ~)と呼ばれる脳波のリズムが乱れることが知られています。睡眠時にγ波が減り、覚醒時にも減っていくのです。このことが、認知症の進行を余計に早めている可能性があります」
そこでMITチームは外部からγ波を人為的に強めたらどうなるかを調べた。
「Aβがたまりやすい体質の実験用マウスを用意し、記憶をつかさどる脳部位の海馬にAβが蓄積していることを確認。その上で、40ヘルツのγ波を特殊な方法で数時間にわたって強めました。結果、Aβが減少。40ヘルツのγ波刺激によりミクログリアが活性化したことから、ミクログリアの貪食機能が関係している可能性があります」
ならば、人間でも40ヘルツのγ波を強化すればADは防げるのか?
「可能性はありますが、現段階では危険かもしれません。ミクログリアはさまざまな作用があり、どんな副作用が出るかもわかりません」