更年期を知って夫婦円満

更年期症状が出る前に予防策を 講じてほしい3つのポイント

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 まだこれといった更年期症状がない場合、今から予防できるのでしょうか?

 更年期の諸症状は、①卵巣機能の低下で生じるエストロゲンの減少②環境的な要因③自身の持った体質的な要因――から起こることが分かっています。その要因を理解して事前にできることから改善していくと、予防につながります。

 ①のエストロゲンの減少は、残念ながら食い止めることができません。しかし大豆食品が女性ホルモンと似て体にいいと聞いたことがある方が多いと思います。それは大豆の中のイソフラボンが腸内でエストロゲンに似たエクオールという物質を産生するからですが、腸内にエクオール産生菌がないとエクオールを産生できません。その腸内細菌を持っている日本人女性は全体の50%。ネットで購入できる尿検査で簡単にチェックできるので、大豆食品で補えるタイプかどうか、症状が出る前に尿検査しておくのもよいでしょう。

 ②の環境的な要因とは、親の介護、子供の受験・独立など自分の周りの環境の変化によって精神的、肉体的に厳しい状況に置かれ、ストレスや肉体疲労の蓄積で体調が悪化してしまうことです。目立った更年期症状がない段階で、介護であれば、元気な時から先手を打って家族との役割分担や外部サービスの利用手配などをして負荷を分散させることがポイントです。そして、子育ての時に身に付いた家族優先の体質から、自分優先、つまり自分の人生を楽しむ考え方に切り替えるように努めましょう。

 ③の体質的な要因は、もともと慢性的に肩凝りや腰痛がある方は、エストロゲンの減少によって、更年期の時期に急激に痛みが増す場合があります。日頃から腰痛や肩凝りがある方は、ヨガやピラティスなどの運動で腰や頭の重さを支える筋肉をつくることが、予防になります。普段から抱えている痛みの対策が、将来の更年期症状の発症を予防するキーになるのです。

 できることから、ぜひスタートしてみてください。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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