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アスピリンに大腸がん予防効果が 腺腫再発リスク40%低減

市販のアスピリンとは別ものなので注意が必要(提供写真)

■喫煙者は逆にリスクが高くなる

 この研究結果で興味深いのは、喫煙者と非喫煙者では効果が違う点。

 非喫煙者では再発リスクが63%と大幅に減少した一方で、喫煙者では逆にリスクが3.45倍も高くなった。その後、海外でも同様の試験結果が報告されている。また、飲酒頻度が週3回以上の人もアスピリンの予防効果が減弱していたという。

 そこで、第2弾として現在、確実に大腸がんの予防効果が期待できる人を絞り込むための試験(J―CAPP2)が行われている。大腸腺腫を摘除した患者4500人(40~60代)を対象に、低用量アスピリンを4年間飲んでもらう。そして、患者の遺伝的背景や生活習慣などがアスピリンの予防効果にどう関連するのか調べるのだ。

「J―CAPP2では血液採取で、アルコールとアセトアルデヒドを分解する酵素(ADH1B、ALDH2)とニコチンの代謝に関わる酵素(CYP2A6)の3つの遺伝子多型を調べています。これらの遺伝子の違いとアスピリンの効果の因果関係を見いだしたいと考えています」

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