冒頭でもお話ししたように大動脈解離は前触れなく発症するため、解離を起こした患者さんが病院を選ぶ余裕がないケースも考えられます。東京都では、2010年11月から「急性大動脈スーパーネットワーク」というシステムの運用がスタートしていて、急性大動脈解離の治療に実績のある病院に効率的に搬送できる体制が整備されています。今回の「診療の質指標」と合わせ、こうしたネットワークが全国的に広まっていけば、救える命が増えるでしょう。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」