病み患いのモトを断つ

一流アスリートも心筋梗塞に…その運動強度は間違っている

カップを揚げるカシージャス(2008欧州選手権決勝)/(C)Norio ROKUKAWA/office La Strada

 守護神を失った影響は大きかったか。今月25日に行われたタッサ・デ・ポルトガルの決勝。スポルティングとの試合をスタンドで見守ったポルトの元スペイン代表のGKカシージャスは、先制したチームメートが自らのユニホームを掲げられるサプライズに目を潤ませていた。

「もう一度ゴールマウスへ」

 そんな思いがよぎったのかもしれないが、果たして、かなうかどうか。

 1日の練習中に急性心筋梗塞を発症すると、ポルト市内の病院でカテーテル手術を受け、一命を取り留める。その担当医はスペイン国営テレビの取材に、「普通の生活に戻ることはできる。しかし、サッカー復帰の可能性はハッキリ言ってゼロだ」と答えているのだ。

 急性心筋梗塞といえば、不摂生を重ねたメタボな人が起こす病気のイメージがある。2010年W杯南アフリカ大会では世界制覇に輝いたほか、2度の欧州選手権優勝に貢献するなどスペインの名GKだ。38歳の中年ながら、バリバリのアスリートで健康なはずだが……。

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