進化する糖尿病治療法

「たまにはいいよね」の「たまに」は本当に「たまに」?

本当に「たまに」?

 そしてもうひとつ。これは他者に指摘されないと本人がなかなか気付きづらいかもしれませんが、「たまに」ほどではなくても、細かな“イベント”が日々ないか、ということ。

 月曜日は仕事の打ち合わせを兼ねて取引先と夜に食事。火曜日は子供の成績が良かったことを祝って自宅で焼き肉。水曜日は部署の送別会。木曜日は自宅で夕食を取るが、食後に妻とワイン。金曜日は会社の同期の仲間との飲み会。土曜日は家族で遊園地に行って帰りはファミリーレストランで夕食。日曜日は妻の両親が自宅に遊びに来たので出前の寿司を取った――。

 この場合、「自宅で焼き肉」「食後に妻とワイン」「同期との飲み会」など一つ一つは久しぶりかもしれません。しかし、「だれと」「どういう理由で」を除いて考えれば、飲み過ぎたり、食べ過ぎたりといった危険を抱えた食生活を連日送っていることになります。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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