後悔しない認知症

必要なのは「記銘→再認→再生」を繰り返すトレーニング

ガラケーよりスマホで新機能を使いこなす(C)日刊ゲンダイ

 こうした記銘力の低下を完全に抑えることはむずかしい。しかし、だからといって子どもが「年だから」「認知症だから」と親が新しい情報を入力できないとあきらめてしまうのは早計だ。

 たしかに若いころの記銘力は望むべくもないが、記銘力が完全に失われるわけではないのだ。工夫次第で一定のレベルを維持することは不可能ではない。そのために子どもがまず忘れてならないのが「反復」だ。「言ってもムダ」とあきらめるのではなく、子どもは根気よく同じ情報を親に発してあげることだ。なぜなら、記銘力は「記銘↓再認↓再生」というサイクルを反復することで、改善する可能性が少なからずあるのだ。子どもの立場で言えば「Aだよ」と親に記銘させ、一定時間が経過した後「Aと言ったよね」と再認、さらに時間経過をおいて「なんて言ったかな?」と「Aでしょ」という再生を促す。こういうコミュニケーションを繰り返すことで新しい情報の記銘力低下を防げる。

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和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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