休職させない精神科医療

診断書で職場環境を改善することも「うつ病」治療の一環

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「現在、心身疲弊状態にあり、十分な睡眠(7時間超)の確保なくして、業務継続は困難です。就業継続は、会社側が安全配慮義務の一環として、『働き方改革関連法』(2019年4月施行)に規定する『月45時間、年360時間』以下を順守するのでないのなら、不可能であると判断します」

 医師がこのように法的根拠を明記した専門家意見を記せば、会社がそれを無視することはできない、と井原医師は言う。

 上司の暴言、無理な要求など、パワーハラスメントがうつ病の背景にあると考えられる場合は、以下のような診断書になる。

「令和○年○月○日初診。抑うつ気分、不安を認め上記の通り診断します。ご本人によれば、職場上司の連日長時間に及ぶ情熱的指導が心的負荷になっているとのことであり、心の健康の専門家の立場から憂慮しております。

2 / 3 ページ

関連記事