井原医師によれば、躁とうつを繰り返す双極性障害の人は、何かを始めると熱中して体が疲れていることに気付かずに睡眠を削って仕事をしてしまう。そのため、平日には4、5時間しか眠らず、休日に9時間以上寝だめするということをしがちだが、これが心の健康の大敵。この睡眠時間の激しい長短が気分変調を起こす原因なので、休日の寝だめが必要なくなるほど平日は十分な睡眠をとり、一定の睡眠リズムを心掛けるべきだという。
実際、他の病院で「双極性障害」と診断されたが、睡眠リズムを整えるだけで劇的に改善し、薬が必要なくなった患者さんを多数経験しているそうだ。
(フリージャーナリスト・里中高志)
休職させない精神科医療