病み患いのモトを断つ

発生件数ノロ以上 カンピロバクター食中毒はこう撃退する

鶏肉は中までよく火を通して

 カンピロバクターを防ぐには、75度以上で1分加熱するのが鉄則。肉フェスのような寿司はともかく、加熱料理なら、大抵この基準は守られているはずだが、件数は減るどころか、相対的に増えている。

「十分加熱すれば、細菌の数は確実に減ります。熱いうちに食べればいいのですが、生焼けの部分があって、時間がたつと菌が再び増える。たとえば、縁日やグルメイベントなどでは、調理から時間がたっていることが往々にしてある。そういうものは、加熱調理でもカンピロバクターの汚染リスクがゼロではありません。スーパーやデパ地下の総菜もしかりで、鶏料理を持ち帰って食べるなら、必ず電子レンジで加熱することです」

 グルメイベントは、鶏以外のメニューがたくさんある。カンピロバクターを徹底予防するなら、牛や豚のメニューをチョイスすればいい。

 感染すると、下痢や嘔吐に加えて、発熱に苦しめられる。症状はほかの細菌やウイルスと変わらないが、厄介なのは治療が遅れると、手足がマヒして力が入らなくなるギランバレー症候群を併発する恐れがあること。ギランバレー症候群のうち4割はカンピロバクター感染が原因といわれるだけに、「たかが下痢」と軽く考えない方がいいだろう。

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