糖質を制限すると、如実に悪玉コレステロールの数値が上がる方がいる。遺伝的な体質を含め、さまざまな議論はありますが、糖質の代わりにおかずの量が増えている場合、味付けをした料理を食べる量が増えている。結果として、塩分摂取が増えている。または、動物性の脂質やタンパク質が過剰摂取につながっている方も多いのです。
糖尿病に関する血糖値やヘモグロビンA1cの数値が下がっていても、悪玉コレステロールの上昇のみならず、血圧、中性脂肪、高尿酸血症などほかの生活習慣病のリスクが上がることもあります。近年ではSGLT2阻害薬といった心臓や腎臓への好影響を示した薬などが多く使用されています。この場合にも過度の糖質制限は避けなければならないのです。
私は食事を楽しんでいただきたいと考えています。そのためには、糖質とは、ぜひとも上手に付き合ってほしいと思います。理想は、活動量が多い朝と昼は糖質を取り、活動量が減る夜は糖質の摂取量を少なめにすること。仕事などで昼夜逆転の生活をしている人は、活動量が多い時間帯の食事に糖質を取るようにして下さい。
進化する糖尿病治療法