がん手術を受ける前に 患者が知っておくべき「5つの事実」

医師が勧めるがん標準治療は、安全で効果が期待できる

 では、喫煙している人は手術前にどのくらい禁煙すればいいのか?

「手術前の禁煙期間と術後合併症リスクなどを調べた研究によると、肺がん手術の場合は手術前2~4週間で非喫煙者と同じリスクにまで下がったという報告があります。食道がんでは術前の禁煙期間は長いほど良いといわれ、少なくとも3カ月以上前から禁煙した方がいいでしょう」

■飲酒は術後合併症リスクを1.5倍アップさせる

 ではお酒はどうか? 手術前の飲酒と手術後の合併症との関係について調べたある研究論文によると、手術前にアルコール摂取している人は術後合併症のリスクが全体で56%アップしたという。

 しかも、アルコールを多量に摂取した人は手術関連死亡率が2・7倍も上昇したと報告されている。飲酒はがんの転移を促進する可能性もある。切除手術を受けた大腸がん患者123人を対象とした研究では、アルコールを摂取する人の肝転移リスクは、飲まない人に比べて2・6倍高かったと報告されている。

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