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【鳥の唐揚げ】鶏肉のカルノシンで体の酸化や糖化を抑える

生麹を利用してうま味を加え、肉を軟らかくする(C)日刊ゲンダイ
消化によく、香味や風味やビタミン類が付与される

 でんぷんやタンパク質は重要な栄養素であるにもかかわらず、そのまま食べても味がしない。一方、でんぷんが分解してできる糖分には甘味があり、タンパク質が分解してできるアミノ酸にはうま味がある。私にはこの事実が長年の謎であった。

 生物にとって、味覚は食物の存在や良否を探るために発達した感覚のはずなのに、なぜ本体ではなく分解産物の方に魅力を感じるよう進化したのだろうか、と。

 仮説のひとつは、大昔、ヒトの祖先は自然界で天然の発酵食品に出合い、それが生存のためにも、健康のためにも役に立つことを体験したから、というもの。おいしさの起源は、それが生きるために有用だったからである。

 さて、発酵は微生物の力によって生じる。コウジカビはその代表選手。米、豆、小麦などに生えると、強力な酵素群を分泌して、でんぷんやタンパク質をたちまち分解し、糖分やアミノ酸に変えてくれる。

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