1日何杯もコーヒーを飲む人はいるだろう。「コーヒー中毒」といった言葉もあり、どちらかというと、コーヒーの飲み過ぎはネガティブな雰囲気で捉えられていたように思う。
「ところが、コーヒーにはプラスの作用しかないんですよ。カフェインで眠りにくくなるということを除いては」
こう言うのは、『幸せはこぶコーヒータイム』を最近上梓した、医師で作家の米山公啓氏。同書は、健康とコーヒーの関係を軸にした16話のエッセイが詰まった1冊だ。
米山氏はもともとコーヒーがあまり好きではなかった。しかし、コーヒーが生活習慣病、心臓病、がんなどさまざまな病気のリスクを減少させているという疫学調査が非常に多いことに気が付いたことがきっかけで、コーヒーを意識して日常的に飲むようになった。
「たとえば、国立がん研究センターの報告によれば、コーヒーをよく飲んでいる人は肝臓がんの発生率が低い。10年間の追跡調査なので、疫学的にはある程度の信頼度があるでしょう」(米山氏) コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、まったく飲まない人に比べ24%低いという海外の調査結果もある。
米山氏は「私が1日に飲めるのは2杯くらい。それでも、飲まないより飲んだ方がいいと考えて実践しています。みなさんも、普段飲んでいる飲み物の何杯かをコーヒーに置き換えてはどうでしょう?」と提案する。
ただし、砂糖をたっぷり入れて飲むのはNG。加えるのは牛乳だけで。「コーヒーは胃に悪い」と昔よく言われたが、コーヒーが胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などとは関係ないという調査結果が出ている。胃弱の人も安心を。
なお、薄着の季節を前にダイエット中の人もコーヒーを大いに活用してはいかが? 運動や入浴の30分前に飲むと、脂肪燃焼が促進されるそうだ。