看護師僧侶「死にゆく人の心構えと接し方」

体に余計なことをしない方が奇麗に旅立てることを教わった

玉置妙憂さん(C)日刊ゲンダイ

「長く持って、余命はあと3年ぐらいでしょうか」

 末期がんの患者が医師に、こう告知される。がんに限らず大手術になると、つい死の不安に襲われてしまう。

 毎晩、枕を濡らしながら、術後の延命治療に期待することになる。

「自分の人生を美しく仕上げるには、もう一歩前に進んでほしいと思います。延命治療を頭から否定はしません。でも例えば、人工呼吸器を使いますと、声が出せなくなります。もし臨終の最期まで自分の声を出し続けたいと望むなら、拒否する治療も選択のひとつではないでしょうか」

 長年、外科の看護師を務めながら僧侶の道も選んだ玉置妙憂さんはこう語る。

 玉置さんは、看護師の業務を主に在宅ケアに移し、早晩、死を迎えようとしている多くの人々に寄り添い、またはみとってきた。

 そうした臨終と背中合わせにある人に5つの望ましい死にざまについて話をするという。

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玉置妙憂

玉置妙憂

東京都生まれ、53歳。専修大学法学部卒業後、法律事務所に勤務。長男の重い病気が動機になり30歳の時、看護師資格を取得。46歳の時に、がん闘病の主人を自宅でみとった後、高野山真言宗に得度した。臨床宗教師としても講演、執筆活動を行っている。「大慈学苑」主宰。

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