看護師僧侶「死にゆく人の心構えと接し方」

体に余計なことをしない方が奇麗に旅立てることを教わった

玉置妙憂さん(C)日刊ゲンダイ

①体中に一本のチューブもつけずに最期まで過ごしたい

②食べ物は口から食べたい

③枯れるように旅立ちたい

④みんなに見守られながら逝きたい

⑤一日の時間配分は、自分で決めたい

 つまり、「終の棲家を病院や老人ホームではなく、家族が住む自宅にして、要するに『胃ろう』など延命治療を遠ざけてしまうという選択もありますよ」と、教える。

 そうした意思を強く持った人は、医療機関とのトラブルを避けるためにも、文にして書き残しておくことと、付け加えている。

「屁理屈かも知れませんが、風邪薬や鎮痛剤を飲むことだって延命治療の処方です。目的は少しでも命を延ばすことでしょう? 延命治療への強い執着を持つこともいいのですが、それよりも、自分が最期までやりたいことは何かを考えてほしいのです」

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玉置妙憂

玉置妙憂

東京都生まれ、53歳。専修大学法学部卒業後、法律事務所に勤務。長男の重い病気が動機になり30歳の時、看護師資格を取得。46歳の時に、がん闘病の主人を自宅でみとった後、高野山真言宗に得度した。臨床宗教師としても講演、執筆活動を行っている。「大慈学苑」主宰。

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