上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

朝食を取らない人は心臓を守る手段をひとつ放棄している

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 健康のためには「朝食」が大切だという知見はこれまでたくさん報告されています。そして、心臓疾患にも朝食は大きく関わっているといわれています。

 米国心臓病学会の医学誌には、「まったく朝食を取らない人は、毎日朝食を食べる人と比べて心血管疾患による死亡リスクが増加する」という研究結果が発表されています。88~94年にかけて40~75歳の米国人6550人を対象に平均18・8年の追跡調査を実施。一度も朝食を取らなかった人は、毎日朝食を取る人と比べて心血管疾患による死亡率が87%も高かったことがわかりました。

 この研究ではどんな内容の朝食を取っていたかまではわからず、「朝食を抜くと寿命を縮める」とまでは言えません。しかし、朝食が心臓疾患に対する何らかのリスクと関連していると考えてもいいでしょう。

 これまで報告されている朝食の効果のひとつに「太りにくくなる」というものがあります。朝、食事をすると胃腸が活動を始めて体温が上昇します。その状態を維持するためにエネルギーが消費されるので基礎代謝がアップし、太りにくくなるのです。

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天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。

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