患者さんで、他の医院で「インプラントを2本入れましょう」と言われ、セカンドオピニオンで来院された50代の女性がいます。僕がインプラント専門医だったこともあり、「どうせ入れるなら専門家のところで」ということでいらしたのですが、口の中を拝見すると親知らずが完璧な状態で2本残っていたので、「インプラントではなく親知らずを移植しましょう」と勧めました。その方は、2本で100万円くらいかかるだろうと予想して大金を握りしめていらっしゃいましたが、保険適用内で収まって使わずに済みました。
抜く必要があるとすれば、親知らず自体が虫歯だったり、歯周病(親知らずの場合は智歯周囲炎といいます)があるケースです。いずれも、正しく磨けていなくてきちんと管理できていないために良くない状況になっているわけです。状態が悪化して歯茎が腫れたり痛みが出たりする前に、かかりつけの歯科医院でしっかりと正しい処置をしてもらってください。
(構成=小澤美佳)
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