歯の疑問 ずばり解決!

「親知らず」はきちんと手入れしていれば抜く必要はない

親知らずは必ずしも抜く必要はない

 患者さんで、他の医院で「インプラントを2本入れましょう」と言われ、セカンドオピニオンで来院された50代の女性がいます。僕がインプラント専門医だったこともあり、「どうせ入れるなら専門家のところで」ということでいらしたのですが、口の中を拝見すると親知らずが完璧な状態で2本残っていたので、「インプラントではなく親知らずを移植しましょう」と勧めました。その方は、2本で100万円くらいかかるだろうと予想して大金を握りしめていらっしゃいましたが、保険適用内で収まって使わずに済みました。

 抜く必要があるとすれば、親知らず自体が虫歯だったり、歯周病(親知らずの場合は智歯周囲炎といいます)があるケースです。いずれも、正しく磨けていなくてきちんと管理できていないために良くない状況になっているわけです。状態が悪化して歯茎が腫れたり痛みが出たりする前に、かかりつけの歯科医院でしっかりと正しい処置をしてもらってください。

(構成=小澤美佳)

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北沢伊

北沢伊

1977年7月8日、長野県生まれ。斉藤歯科医院院長。2003年に日本大学松戸歯学部を卒業。同年から同院に勤務し、13年から院長に就任した。若手歯科医師に向けたセミナーの講師を務め後進の育成にも取り組んでいる。日本口腔インプラント学会専門医。千葉県歯科医師会所属。

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