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3.7万人の調査で判明 “反射神経”は45歳からガクンと衰える

“反応が鈍る”
“反応が鈍る”

 高齢者ドライバーが絡む交通事故が続発している。事故原因のひとつに、“ブレーキとアクセルの踏み間違い”が挙げられるが、高齢になると危険察知からブレーキを踏むまでの時間は若い世代に比べどれくらい遅くなるのだろうか?

 交通事故の専門家によると、運転中に危険を察知してからブレーキを踏むまでの時間は、「50代までは約0.7秒」。これが70代になると、「2秒近くにまで落ちる」という。60歳前後なら“ギリギリセーフ”といったところか。

 だからといって60歳までは安心と思うのは早計だ。公益財団法人「長寿科学振興財団」が運営する「健康長寿ネット」に興味深いデータが載っている。フラッシュが光った瞬間ジャンプし、その反応時間を測定する「全身反応測定器」を使用し、世代別に敏捷性のテストを行った結果だ。20歳から65歳までの男女3万6998人が参加した大掛かりなモノで、信頼性は高いと言っていい。

 それによると、各世代の反応時間(平均値、ミリ秒単位)はこうだ(左が男性、右が女性)。

◇20歳…358/410
◇25歳…355/402
◇30歳…353/396
◇35歳…354/393
◇40歳…357/394
◇45歳…361/397
◇50歳…368/403
◇55歳…377/412
◇60歳…387/424

 男性では30歳、女性では35歳が最も全身反応時間が短い。その後はいずれも加齢とともに同時間が長くなっている。男性の場合、45歳を過ぎてから上げ幅が大きい。女性もほぼ同様だ。つまり、この年齢から“反応が鈍る”と言っていい。

 これを直接、交通事故に結び付けることはできない。しかし、いわゆる反射神経は、60歳どころか40代半ばから衰えているのだ。注意が必要だ。

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