生活と健康 数字は語る

若い世代が野菜や果物を食べない理由は「収入」にあり?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 若い世代ほど炭水化物摂取の中での野菜、果物の割合が低いというデータを紹介しましたが、私の30歳前後の3人の子供も野菜や果物をあまり食べないかもしれません。特に一人暮らしをすると、余計にその傾向が強まる気がします。

 ただコンビニに行ったりすれば、最近は多くの種類の野菜サラダが並んでいて、一人暮らしであっても野菜を食べるのは難しいことではありません。手に入るのに食べないのは、単に野菜果物嫌いという嗜好の問題でしょうか。

 また値段の問題もありそうです。野菜サラダの値段が200~400円だと、わざわざ弁当に追加して買ってまでとはならないかもしれません。さらに果物となると、野菜より値段が高くて、若い人は手を出しにくい食材になっているようです。

 ここから先は単なる私の類推に過ぎませんが、若い世代の野菜、果物の摂取割合が低いのは、嗜好の問題だけではなく、野菜果物の値段が高いことや、一人暮らしの人が多いことからきている可能性があります。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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