私は、Aさんが入院している無菌室の中には入らず、「がんばれ!」「もうひといき」「必ず良くなる」などとメモを書いて病棟の看護師長に渡し、「このメモを消毒してAさんに渡して下さい」と言って応援を続けました。
そんなAさんが、元気になって私を訪ねてきてくれたのです。お会いするやいなや、手を取り合って喜びました。
「よく頑張ったね。本当によく頑張った!」
「うん、ありがとうございます。頑張りました」 病気を克服したのです。希望がかなったのです。助かったのです。
彼女の目には涙が光っていました。つらかった、とてもつらかったから、より喜びも大きいのだと思います。
それでも、Aさんは「お腹が痛かったり、咳が出たり、少しでも何かあると『がんが再発したのでは……』と恐ろしくなります」と不安を口にされていました。
がんと向き合い生きていく