独白 愉快な“病人”たち

点滴が生ビールに見えて…宮路オサムさん闘病生活を振り返る

宮路オサムさん(C)日刊ゲンダイ

 親戚が大勢いて、早急に対処してくれたので助かりましたが、もしも飛行機や新幹線に乗っていたら間に合わなかっただろうとのことでした。

 その後、殿さまキングスは解散となり、「これからどうやって女房を食わせていこう」と途方に暮れていた頃、別のレコード会社から声がかかり、再び歌い出しました。療養を含め約2年間のブランクがありました。すっかり痩せこけ、「熱唱のオサムちゃん」ではなくなっていましたが、「病み上がりのしおれた声がまた渋い」と評価されて、再びヒット曲に恵まれました。

 それで調子に乗っちゃったんですね。いつの間にか胃に穴が開いたことなど忘れてしまって、やめていたお酒が復活……食べずに飲むという悪い習慣で、毎晩ボトル1本を空けるようになってしまいました。ホテル泊のときはスタッフの部屋の冷蔵庫も空にするほどでした。

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