独白 愉快な“病人”たち

点滴が生ビールに見えて…宮路オサムさん闘病生活を振り返る

宮路オサムさん(C)日刊ゲンダイ

 病気になったことで改めて妻の愛や周囲の人の優しさに気づきました。歌のすごさも再認識しています。病気を抱えていてもチケットを買って会場へ来てくださるお客さまや、車椅子から思わず立ち上がって楽しんでくださるお客さまの姿に、以前より何倍も感動しています。「オレはあのとき死ぬ予定だった。でも今は元気だ。オレでも大丈夫だから、おまえらも大丈夫。来年も会おう!」と言うと、会場が「イエーイ!」ってなるんですよ(笑い)。

 病気は嫌なものですが、体は家族みたいなもので、同じ体でも出来のいいやつもいれば、悪いやつもいるわけです。そう思えば腹も立ちません。落ち込んだら、余計に病気が寄ってきます。病気は“イジメ甲斐がない人”には寄り付きません。病気に勝つには笑っていること。まさに「愉快な病人」でいることです。

(聞き手=松永詠美子)

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