腸内細菌をまとめて「腸内フローラ」と呼びます。腸内フローラを整える「腸活」は、いまではすっかり市民権を得ています。
まだ、「乳酸菌や発酵食品などを積極的に食べましょう」といったレベルではありますが……。
それにいまの腸活は、主に便秘・軟便対策を目指しています。なかには花粉症対策などもありますが、まだ「平均」の世界にとどまっていますから、万人に効果があるわけではありません。
「個別化栄養」を実現するためには、自分の腸内フローラの特徴を知る必要があります。「メタゲノム解析」と呼ばれる新しい検査がそれを可能にしました。便に含まれる細菌のDNAすべてをまとめて調べる方法です。
その結果をコンピューターで処理すると、菌の種類までは分かりませんが、腸内フローラ全体として、たとえば太りやすいとか、がんにかかりやすいといった特徴が見えてくるのです。
がんも慢性炎症も肥満も… 鍵を握るのは「腸内細菌」
- 2019年06月27日
男女の病気のかかりやすさや寿命の違いは染色体の違いから?
- 2019年07月09日
永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。