次に、感染リスクが高い人の予防薬(PrEP)の服用だ。WHOも強く推奨しており、世界40カ国以上で承認されているが、日本では未承認。日本で予防薬を自費で買えば、1錠3800円もするため、インターネットでジェネリック薬を個人輸入するしか現実味はない。しかし、未承認ゆえに医師が勧められず、予防薬が有効な人に情報が届きづらいのが現状である。
「深刻なエイズ問題を抱えていたアフリカの多くの国では、検査と治療の普及により新規感染者がピーク時に比べ半減。予防薬服用が進んでいるアメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどの一部地域では、新規感染者が激減しています」
■「コンドームで予防を」では不十分
日本でのエイズ対策は、いまだに「保健所で検査を」「セックスではコンドームを」。これだけでは新規感染者減少につながらないことは、数字が示している。