Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

高校生が「哲学外来」主催報道 がんのつらさは話して楽に

抱え込まずほかの人に話せば心が軽くなる(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 がんでなくても、人間関係や仕事などの悩みを友人や同僚、先輩に話すことで、ふっと気持ちが軽くなることはあるでしょう。それと同じようなイメージで、お茶を飲みながら毎日移り変わる悩みを相談するのが、がん哲学外来です。

 ネットを検索すれば分かる通り、全国にたくさんあります。その扉を開けるのが緊張するという人は、職場や親戚のがんの先輩に相談してみるのもいいでしょう。とにかく話すこと、いつも通りの生活を心掛けることが一番です。

 こんなことを言う私も膀胱がんになったときは「なぜ私が?」とがんの事実を否認したい気持ちでいっぱいでした。そこから比較的早く抜け出せたのは、周りに現実を話して、早期の職場復帰を目指したからです。

 がんの皆さん、つらさはため込むのではなく、なるべく吐き出してください。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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