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過剰な湿気が原因かも…梅雨の不調に効果的な3種類の漢方

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 梅雨の体調不良(諸症状)と漢方について紹介します。

 この時季は、長引く雨とジメジメとする湿度によって、憂鬱な気分になったり、感染などの明らかな原因がないにもかかわらず、頭が重たい、頭痛がする、食欲がない、体がだるい、むくむといった体調不良を経験された方も多いのではないかと思います。

 これは漢方でいう「過剰な湿気=湿邪」が原因かもしれません。湿邪とは、外部にある6つの悪いもの=六邪(風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪)の1つで、過剰な湿気が体外にある場合、湿気が体に入り込み、体内の水分を必要以上に増やして悪影響を与えるものです。

 湿邪によって「体に水がたまっている」かどうかは、舌でチェックすることができます。舌の苔(白いもの)が分厚い、舌の周りがギザギザしている場合は水がたまっている状態といえます。

 この状態を漢方では「水滞」と呼びます。水滞になると、むくみ、めまい、頭痛が起きやすくなる可能性があります。これらの症状を防ぐには水分代謝を整えることが有効です。

 水滞に効果のある漢方のうち、代表的な3種類を紹介します。全身の水たまりには「五苓散」、上半身の水たまりには「苓桂朮甘湯」、下半身や関節の水たまりには「防已黄耆湯」がよいとされています。

 もちろん、自分に合う・合わないがありますので、試してみるもよし、見極めに困った場合には薬局・薬店で薬剤師に相談して症状に合ったものを選択するのもよいでしょう。

 漢方が梅雨の体調不良を解消する助けになるかもしれません。

神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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