性感染症最前線

エイズ<5>HIV感染の不安を解消する2つの薬とその費用

専門医に相談すること

 また、性交渉後の曝露後予防を目的とした抗HIV薬の内服は日本では未承認なので、診療や薬の処方は自費診療になる。

 費用は、国内のエイズ医療体制の頂点である国立国際医療研究センター/エイズ治療・研究開発センター(ACC)の場合で言えば、初診料2万円(税別)、薬剤費は1日当たり1万円で28日間分で28万円(同)となる。

 HIV感染予防策は、これだけではない。

 近年、欧米を中心に予防的に性交前から抗HIV薬を飲む「PrEP(プレップ=曝露前予防内服)」という新しい予防法が広がりつつあるという。

「日本では世間のHIVへの関心が低く、ほとんど議論されていませんが、PrEPの研究は世界中で行われていて、9割程度の予防効果があることが明らかにされています」

 具体的には、2種類の抗HIV薬が入っている合剤の「ツルバダ」という薬を1日1回(1錠)、毎日飲むのが世界で最も普及している方法。

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