「胃には脳に直接つながっている迷走神経が多く通っているからです。ほかにも喫煙や興奮や心理的ストレスもしゃっくりにつながる刺激となります。ただ、こうしたしゃっくりのほとんどは、数時間もすれば自然におさまります」
問題は、しゃっくりの中に何日、何週間、何年も続く“止まらないしゃっくり”があることだ。実際、ギネス世界記録には68年間もしゃっくりが止まらなかった米国人が紹介されている。
「2日間(48時間)以上続くしゃっくりを難治性吃逆と言います。長く止まらないしゃっくりは横隔神経の走行部位に炎症や腫瘍があって、それらが横隔神経を刺激して、しゃっくりが止まらなくなっている可能性があります。肺、胃、食道、膵臓など横隔膜周辺の臓器の炎症、腫瘍などの存在をまず疑わなければなりません。脳内の異常の可能性もありますので、しゃっくりとともに不規則な胸部痛、頭痛や吐き気がある場合は脳卒中などの脳の病変を疑う必要があります」