腎臓は人体の要…熱中症による腎機能低下には要注意

なかなか自覚症状は出てこない(C)日刊ゲンダイ

「例えば心臓が送り出す血液の4分の1が集中する腎臓は血液を管理する司令塔です。年中休まずに働き、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リンなどのミネラルや水分の調整をしてきれいな血液を全身に供給しています。さらにEPO(エリスロポエチン)やレニンと呼ばれる情報伝達物質を放出することで赤血球の量や血圧を調整したり、骨づくりに必要なビタミンDを活性化したりしています」

 腎臓は骨と絶えず情報交換することで、寿命や老化に関係する動脈硬化などにも関係することがわかっている。

「血液中のリン濃度が少ない動物ほど寿命が長いことが報告されていますが、それは主成分がリン酸カルシウムである骨が血液中のリン濃度が高くなると『リンは十分足りています』という情報を腎臓に送り、この情報を基に腎臓が血液中のリン濃度を調整しているからです」

 熱中症は、こうした腎臓の働きをすべて狂わせてしまう。急性腎不全を併発して命を左右することにもなりかねない。

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