腎臓は人体の要…熱中症による腎機能低下には要注意

なかなか自覚症状は出てこない(C)日刊ゲンダイ

「大量の汗をかいて体内の水分量が減ると、血液量も減り、腎臓の血流が減ります。そうなると、腎臓から排出すべき老廃物が排出できなくなり、全身に毒素が回ります」

 汗の成分は水分と電解質。大量の発汗は体液の電解質のバランスを崩すことになる。

「体の中の細胞は、細胞外液で保護されています。この細胞外液に含まれる電解質の割合が変わると細胞は死んでしまいます。腎臓は体重の3分の1を占める細胞外液の成分、とくに電解質のバランスを調整しています。このバランスが崩れると、けいれん、むくみ、心不全、意識障害などを起こします」

■炎天下で活動する人は横紋筋融解症のリスクも

 熱中症で腎臓の機能が急激に低下すれば、状況によっては緊急に透析療法を行わなければならないこともある。

 炎天下で体を動かさなければならない人の腎臓はさらなる危険にさらされる。熱で筋肉の細胞が融解・壊死して筋肉の細胞内の物質(ミオグロビン)が血液に流れる横紋筋融解症になる恐れがあるからだ。

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