病み患いのモトを断つ

数字で読み解く熱中症対策のヒント 肌着の着方も要工夫

熱中症は炎天下だけでない。梅雨時の今から要注意(C)日刊ゲンダイ

「速乾や吸湿などの機能性肌着は、今や定番。高齢者は、昔からの習慣で綿の肌着を使用されている方が多いですが、熱中症対策なら機能性肌着に切り替えるのがベターです。その着方によって体温が変わりますから、試してみるといいでしょう」

■綿とポリエステルの体温上昇の違いは?

 神戸女子大の平田耕造教授は、綿100%とポリエステル100%の肌着で、発汗に伴う深部体温の変化をチェック。注目はその着方で、それぞれの素材の肌着を、皮膚とのゆとりがある着方と、密着した着方で、足湯状態で深部体温を41度にそろえてから比較した。

 機能性肌着のポリエステルの方が、体温上昇が抑制されるのは当然の結果とはいえ、ちょっと興味深い。研究結果を掲載した「デサントスポーツ科学」2003年版によると、ゆとりがあるポリエステルは0.4度の上昇だったが、密着ポリエステルは0.3度の上昇に抑えられた。綿はより体温上昇幅が大きく、密着の方がゆとりを0.1度上回る0.6度だ。

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