染色体異常を血液検査のみで判定「新型出生前診断」の課題

写真はイメージ

 さらに、年齢制限も設けられており、35歳以上の妊婦しか受けることができない。

 そのため、23組すべての染色体疾患を調べることができ、かつ35歳未満でも受けることができる無許可施設に患者が流れているのが現状だ。

■認可施設ではすべての染色体疾患を調べられない

 筆者はNIPTを受けたり受けようとしている複数の妊婦に取材した。最近、話を聞いた20代会社員のA子さんの、こんな話が印象深かった。

「確かに自身の年齢が下がれば、染色体疾患を持った子どもを生む確率が下がるかもしれませんが、しょせんは確率論でしかありません。20代でも染色体異常のある子どもを生んでいる方もいます。いろいろ配慮した結果だとは思いますが、個人的には年齢制限を設けている理由が分かりませんし、3つの染色体しか調べられないと制限をかける意味も不明です。相対的な症例は少ないかもしれませんが、ダウン症以外などの染色体疾患を持った子どもも生まれています。私は障がいを持つ子どもの出産を否定するわけではありませんが、自分が実際に育てていく自信は今は持てません。だからこそ、出生前診断を受けることにしたのです」

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