生活と健康 数字は語る

肉は体に悪いのかどうか検討するにはコホート研究が必要

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかしコホート研究なら原因と結果が示せるかといえば、そう簡単ではありません。例えば、肉を食べる人は野菜をあまり食べないかもしれません。そうすると、肉を食べる人の寿命が短いという結果が示されても、それは肉のせいではなく野菜を食べないせいかもしれないのです。

 こうしたデータを正しく解釈するためには、極めて専門的な知識を必要とします。しかし、インターネットの普及により、そうした知識を持たない人が多くの情報を勝手に解釈してまき散らすというのが現状で、どれが正しい情報なのかを見極めるのは一般の方にはとても難しいことなのです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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