頚椎椎間板ヘルニア 治療3カ月で改善しなければ手術が必要

左が人工椎間板(C)日刊ゲンダイ

「良くならないまま半年以上経つと、手術を受けても予後不良という報告があります」

■新治療法の登場で従来法による不具合が解消

 手術には一般的な切る手術と内視鏡手術があり、首の前側からアプローチする方法と後ろ側からの方法とがある。切る手術か内視鏡かは、医師の立場や患者の希望などで異なるので、ここでは触れない。今回注目したいのは、切る手術のうち、2017年から保険承認になった頚椎人工椎間板置換術だ。

 頚椎椎間板ヘルニアで、手術の対象となる椎間板ヘルニアが1つなら、首の前側からアプローチする手術が選択されることが多い。首の前側を4~5センチ切開し、気管や食道をよけて、椎間板ヘルニアを取り出す。

「従来法は前方除圧固定術といって、取り出して空洞になったところに自分の骨盤から採取した骨や人工骨を移植して固定する。前方除圧固定術でも症状は取れますが、固定してしまうため、首の骨本来の動きが失われる。固定した首の骨の上下の椎間板に負担がかかり、また隣り合う場所で頚椎椎間板ヘルニアを起こしやすくなります」

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