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夏バテ症状は人それぞれ…対策は「水分・睡眠・栄養」から

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 体がだるい、疲れやすい、集中力が低下する、胃もたれ、食欲不振など、夏バテの症状は、人によってさまざま。

 これらの不調の大きな原因は、高温多湿の環境の中で体温を一定に保とうと、自律神経がフル稼働し、やがて乱れてしまうことにあります。

 自律神経は、体にたまった熱を汗として放出し、体温を一定に調整しています。しかし現代人の生活は、高温多湿の屋外とクーラーを効かせた室内との出入りを繰り返す。温度変化の激しい環境下で行われているため、自律神経のバランスを崩しやすくなるのです。

 暑くなって汗をかくと水分と塩分が失われ脱水状態に。水分補給の目安は1日およそ1.8~2リットル。汗から失われるのは水分とミネラルなので、それらを含む経口補水液やスポーツドリンクが適していますが、飲み過ぎはNG。糖分濃度2.5%以下のものや、体液よりも低い浸透圧の「ハイポトニック」と表示のあるものを選ぶようにしましょう。

 睡眠不足は疲労回復を妨げます。眠りの質向上には、室内温度を約28度、湿度を50~60%に。クーラーや扇風機を1~2時間でタイマー設定し、一晩中かけ続けない。扇風機は風が直接体に当たらないようにします。

 外気の暑さが消化酵素の効力を低下させるのに加え、冷たい飲み物の取り過ぎで胃腸が冷えて消化不良になります。栄養の吸収が悪くなり食欲不振を引き起こしてしまいます。

 普段からバランスのよい食事を意識し、特にタンパク質や、疲労回復に有効なクエン酸とビタミンB1が豊富な食べ物を積極的に取りましょう。

 豚のモモ肉やヒレ肉、酸っぱい果物、枝豆やオクラなどの夏野菜がいいですね。

 夏バテしない体づくりには、15~20分ほどのウオーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を、できれば毎日、無理なら週に2~3日。朝や夕方の涼しい時間帯に行ってください。部屋でのストレッチも効果的です。

(〆谷直人・国際医療福祉大学熱海病院検査部長)

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