独白 愉快な“病人”たち

手術で死にかけて…仁支川峰子さん甲状腺がん闘病を語る

仁支川峰子さん(C)日刊ゲンダイ

 ちなみに私、がんと聞かされたときも、喉の手術をすると決まったときも、ショックとか怖いといった気持ちはまったくありませんでした。なるようにしかならないですから。ただ、1回目の手術前、脅すつもりはなかったんですけれど、「私、声が出ないと困るから、絶対に声は奪わないでくださいよ。先生の責任ですからね。きっちりやってください」って担当医に強めに言っちゃったんです。「あの言葉で、先生は怖くなって手術で緊張したかもしれません」って、元気になってから看護師さんと笑い話になりました。

 失敗は仕方ないと思っています。医者だって人間ですから。でも麻酔の効きすぎがわからず、数値が正常だからといって精神科の医師まで繰り出して、しまいには「病院で一番強い睡眠薬を入れましょう」と言われたのには愕然としました。麻酔で命を落とす人って意外といるんです。顔は穏やかでも、実は苦しみや痛みを必死に訴えているケースもあるってことを知ってほしいと思います。

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