役に立つオモシロ医学論文

死亡リスク増加の報告 「夜型」の生活は本当に体に悪いのか

夜型をもたらす生活環境

 平均で、6.5年にわたる追跡調査の結果、明らかな朝型の人と比べて、明らかな夜型の人では、糖尿病が1.3倍、精神疾患が1.94倍、神経疾患が1.25倍、胃腸の疾患が1.23倍、死亡のリスクが1.1倍、統計学的にも有意に多いという結果でした。

「夜遅く寝ることが病気を引き起こしている」というよりは、残業時間が長いなど「夜型の生活をもたらし得る生活環境そのものが、健康に悪い影響を与えている」ということなのかもしれません。因果関係を決定づけるものではありませんが、健康のリスク因子として“夜型の生活をもたらし得る環境”因子は軽視できないものがあります。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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