それぞれに長短あるのがミソで、そこが職場検診と自治体検診を組み合わせるポイントにもなります。職場検診が内視鏡なら、自治体検診でバリウムを、職場がバリウムなら、自治体検診で内視鏡を。そうやって組み合わせることは、とてもクレバーです。
もう一つは肺がんで、職場検診はX線がほとんど。痰に含まれる成分を調べる喀痰検査は喫煙者に効果的でも、職場検診では行われないことが一般的です。そこで、喫煙者は、自治体検診で喀痰検査を受けるべきでしょう。
お酒をよく飲まれる方だと、口腔から食道、肝臓は要注意。胃の内視鏡検査をどちらかで受けるときは、検査の前に「咽頭から食道もよく診てください」とお願いすることです。咽頭がんと喉頭がんは、喫煙のほか飲酒もリスク。自治体検診で喉頭ファイバー検査が対象のときは、受けるとよいでしょう。
B型とC型の肝炎ウイルスは、肝臓がんとの関係が深い。職場検診で検査を受けたことがなければ、自治体検診で受けるのがオトクです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁