後悔しない認知症

新たな出会いがあるデイサービスは脳を使う「新天地」

デイサービスは新しいコミュニケーションの場

 これまで私は、認知症の進行を少しでも遅らせるために「脳にラクをさせないこと」が重要であることをたびたび述べてきた。本、雑誌、新聞、あるいはテレビなどで新しい情報を入力する機会を減らさないようにし、併せて、手紙や日記を書くことによって情報を出力する機会を増やすことで脳の老化を少しでも遅らせるようにと、述べてきた。前回述べたようにさまざまなスキンシップも欠かせない。だが、子どもだけでこうしたプログラムを親にやってもらうのはむずかしい。介護サービスが子どもにとっては大きな助けになることを覚えておくべきだ。こうした家庭以外の環境は親にとっては、新しい経験のできる「新天地」なのである。

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和田秀樹

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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