医者も知らない医学の新常識

熱中症対策で血糖値が上昇…夏のスポーツドリンクに注意!

 暑い季節になると心配なのが熱中症です。熱中症の予防には、こまめに水分を取ることと、「クールダウン」といって、時々クーラーなどのある涼しい場所に身を置くことが重要です。急に気温が上昇したような時には、体がまだ夏の準備をしていなくて、汗をかく量も少ないことが多い。本格的に夏が来る前に、運動をしたり、熱いお風呂に長めに漬かったりして、汗をたくさんかく練習をしておくと、熱中症になりにくいことも知られています。

 それでは、熱中症予防にはどのような水分を取ることがいいのでしょうか? よく言われるのがスポーツドリンクなどのイオン飲料です。しかし、スポーツドリンクには塩分やカリウム以外に、ブドウ糖などの糖分も含まれているので、飲み過ぎには注意が必要です。

 私のクリニックで最近、血糖値が400以上という、重症の糖尿病の患者さんが来院されました。昨年の健診では血糖はほぼ正常だったので、おかしいと思ってお聞きしてみると、スポーツドリンクを水代わりに飲んでいたことが分かりました。 のどが渇いた時にスポーツドリンクを飲むと、血糖値が上がりますが、それによりおしっこが増えて更にのどが渇くので、また飲んで血糖が上がる、という悪循環になるのです。水分を水やお茶だけに代えてもらったところ、1カ月で血糖値はほぼ正常に戻りました。夏のスポーツドリンクの飲み過ぎは、危険な場合もあるのです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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