A型の急性肝炎は、2~7週間の潜伏期間を経て、突然発熱。全身のだるさや吐き気、嘔吐などが見られ、数日後に黄疸が表れます。自然に治ることも多いのですが、高度な肝機能障害を起こす劇症肝炎に進行すると、生存率は30%ほどと、極めて危険性が高い。
慢性肝炎は軽度の肝障害がだらだらと持続することで、肝臓が線維化。肝硬変や肝臓がんに移行することが分かっています。
海外から帰国して気になる症状が見られたら、すぐに受診するのが無難です。様子を見ているうちに劇症肝炎に進行すると、取り返しのつかないことになりかねません。血液検査で肝炎ウイルスや肝機能をチェックします。
発症して苦しむよりは予防が大切でしょう。A型とB型はワクチンがあるので、これらの流行エリアに行かれる前は、事前にワクチンを接種することをお勧めします。どこの国でどんな病気が流行しているかを調べるには、厚労省検疫所「FORTH」のホームページを参考にするといいでしょう。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)
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