市販薬との正しい付き合い方

バランスを崩しやすい夏の肌トラブルに効果的な漢方とは

強い紫外線にも要注意!
強い紫外線にも要注意!(C)日刊ゲンダイ

 肌の露出が増える夏は体形だけでなく「肌のトラブル」も気になる季節です。強い紫外線、暑さ、効きすぎる冷房(屋内外の気温差)などによって、肌にとっては冬よりも厳しい季節といえるかもしれません。

 というのも、冬は乾燥による肌のトラブルが起きやすい季節ですが、夏は肌に脂分が多くなったり、発汗や冷房で水分が抜けて乾燥が進んだりと、冬に比べて水分と脂分のバランスが悪くなりやすいからです。

 肌のトラブルは水分と脂分のバランスによって起こります。

 水分が少なくなれば、乾燥して肌の弾力やバリアー機能が弱まりますし、多くなればむくみます。脂分が多ければ、毛穴に汚れが詰まりやすくなって皮膚炎の原因になり、少なくなれば水分が抜けやすくなって乾燥が進みます。

 つまり、肌のトラブルを防ぐには、バランスを崩さないように適度な水分と脂分を保つことが大切です。

 そのためには、洗浄することで皮膚の清潔を保ち、余分な脂を取り去って適度な保湿を行うといった体の外からのケアが必須になります。

 また、漢方を使って体の中から水分と脂分のバランスを整えるのも効果的です。

 たとえば、血行不良が一因である「しみ」には「桂枝茯苓丸」、便通や胃腸障害からくるにきびには「防風通聖散」、イボなどの肌荒れには「薏苡仁」が良いとされています。

 他にも症状に合わせて肌のトラブルに効果のある漢方はたくさん知られています。肌の手入れに気をつかっている方は、休息や食事のバランス、ストレス発散も重視しつつ、漢方をうまく利用して体の中からも肌トラブルの予防や改善を行えば、美肌になれるかもしれません。

神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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