ストレス社会の生き延び方

パワハラを未然に防ぐ「し・か・り・ぐ・せ」の極意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 大手広告代理店に勤める女性社員が過労自殺した事件は記憶に新しい。彼女には長時間労働以外にも、上司のパワーハラスメント(パワハラ)があったとされる。

「上司をはじめ、周囲の同僚も自分たちの行為が自殺につながることまでは考えが及ばなかったでしょう」

 パワハラにならないためには、まずは「怒る」と「叱る」の違いを知ることが先決だ。

《怒るとは自分の感情を相手にぶつけることで、叱るとは相手のことを想い、注意すること》

 これはテニスの松岡修造が日めくりカレンダー「まいにち、修造!」(PHP研究所)の中で述べていることだ。

「怒るときに、相手を承認すると“叱る”に変わると私は考えます。そして叱るときにぜひ、守ってほしい項目は、その頭文字を取って『し・か・り・ぐ・せ』になります」

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武神健之

武神健之

東京大学医学部大学院卒。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。年間1000件の健康相談、ストレス・メンタルヘルス相談を行う。著書に「職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書 上司のための『みる・きく・はなす』技術」(きずな出版)などがある。

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