ストレス社会の生き延び方

パワハラを未然に防ぐ「し・か・り・ぐ・せ」の極意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 どういうことか。まず、「し」は身体的接触は絶対禁止。

「多くの会社でパワハラかどうかの認定をするときに最初の基準となるのが、身体的接触があったかどうか。直接叩いたりするのはもちろん、ペンなどで叩く、ものを投げるというのも絶対にやってはいけません。例えば、普段なら肩をポンポンと叩くことは問題にならないのですが、関係がまずくなると『小突かれた』とか、女性なら『触られた』となってしまいます」

「か」は過去は責めずに、隔離して2人で。

「過去は責めても変わりません。過去に何かがあったなら、『今後はどうするの?』と未来の話に言い換えましょう。そして、部下を叱るときには人前ではなく、2人でというのが基本。面談にやってきた外資系に勤務する方のケースでは、部下を大勢の前で叱ったことで人事部から呼び出されたのだと言います。ところが、『前職の日本の銀行では、皆の前で叱ることを推奨していました』とのこと。このような企業文化が根強く残っているので、気を付けましょう」

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武神健之

武神健之

東京大学医学部大学院卒。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。年間1000件の健康相談、ストレス・メンタルヘルス相談を行う。著書に「職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書 上司のための『みる・きく・はなす』技術」(きずな出版)などがある。

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