独白 愉快な“病人”たち

治療9年目…江本孟紀さんは加齢黄班変性で人生観が変わった

江本孟紀さん(C)日刊ゲンダイ

 完治する治療法はないそうで、「進行を抑えられるかもしれない」という治療しかありません。ボクが受けているのは、新生血管の成長を抑える薬を白目の部分に注射して、目の中の硝子体に入れる治療法。麻酔をするので痛くはない。針が入ったときは、ズンと重い感じはするけどね。反対側の目は何も見えないようにしてくれるし、針を打つ側の目も麻酔で視界がぼやけて、針の先が近づいてくるのは見えません。でも、まあ怖いですよね。

 効果は人によって千差万別らしく、良くなる人もいれば、かえって悪くなる人もいる。しかも、この注射が1回17万5000円もするんです。保険が利くから自己負担は5万円ぐらいだけど、それでも毎回5万円かかったら大変でしょ? 年金しか収入のない人は、効くかどうかもわからない治療のために、1回5万円の治療なんてきついですよね。

 ボクの場合は一応進行しないようになったんで、効果はあった。ところが4年前、新生血管がプチッと切れて2、3日入院しました。でもその後、ここ2年ぐらいは3カ月に1回、検査に行くだけで済んで、積極的な治療はしていませんでした。ただこの間、また少し水が出てきたんで注射しました。

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