ストレス社会の生き延び方

時間・空間・五感…3つの「区切る」で疲れとさようなら

美瑛の丘とラベンダー

 職場でのメンタル不調を防ぐため2015年からストレスチェック制度が義務化(常時50人以上の事業所対象)された。 同年の精神障害の労災請求件数は1500件超え。決して他人事では済まされない。

「例えばマラソン選手が、のどが渇いてから水を飲むのではなく、あらかじめ水を飲む場所を決めているように、疲れてから休むのではなく、疲れる前にあらかじめ休みを取っておく。そのためには継続するストレスをうまく区切る必要があります」

 ストレスを「区切る」には、「時間」「空間」「五感」の3つの方法が挙げられる。

 時間を区切るには、短期的なものと長期的なものがある。短期は昼休みにランチをしたり、お茶を飲みに行くなど。長期は週末に有給休暇を足してロングウイークエンドにするなど。

「ストレスは『強度』×『持続時間』で構成されるので、時間を区切る意味は大きいのです。アメリカの研究ですと、人は有給休暇を取って旅行を計画すると、その8週間前から満足度、幸せ度が上がっていくそうです。なので、3カ月に1回、もしくは半年に1回程度、2泊3日程度の小旅行をおすすめします」

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武神健之

武神健之

東京大学医学部大学院卒。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。年間1000件の健康相談、ストレス・メンタルヘルス相談を行う。著書に「職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書 上司のための『みる・きく・はなす』技術」(きずな出版)などがある。

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